大人の過蓋咬合の治療方法
過蓋咬合は遺伝的な要因もあり、子供のうちに気付いているのであれば、大人になる前に矯正したほうがいいでしょう。 とはいえ、大人になってからの矯正も可能です。症状を放置しておくと、長年の習慣によって症状がひどくなることもあります。 悪い習慣を見直すだけでも、それ以上の悪化を防ぐことは可能です。 また、過蓋咬合はガミースマイルと呼ばれる状態を引き起こします。上の歯と下の歯が深く噛み合っているため、笑ったときなど、通常よりも歯ぐきが多く見えてしまいます。 症状の度合いや考え方にもよりますが、ガミースマイルは見た目の印象に多少影響を与えます。人前に出ることの多い方、笑顔を改善したい方は 一度クリニックに相談してみましょう。 また、過蓋咬合は噛み合い過ぎる(かみ合わせが深い)ために、歯やあごに負担がかかります。 放っておくとあごの歪みや顎関節症につながる場合もありますので、見過ごすことのできない症状です。
過蓋咬合の原因
骨格と顎関節の異常
上下あごの大きさのアンバランスは他の不正咬合も引き起こしますが、過蓋咬合も例外ではありません。 一方、顎関節の位置も原因となる場合があります。顎関節が通常の位置よりも下がった位置にある方の場合、下あごの筋肉の力によって 下あご全体を後退させてしまい、上あごと咬み合わなくなくなるためにかみ合わせが深くなります。
歯列の問題
乳歯の抜ける時期が早く、奥歯が倒れて生えてしまった場合や、 虫歯や歯周病で奥歯を失った場合にそのままにしておくと、奥歯部分で正しく咬み合わなくなり、そのために前歯のかみ合わせが深くなります。 また、習慣やくせによって上あごの前歯が前進したり、下あごの前歯が後退したりすることによっても過蓋咬合を引き起こします。 過蓋咬合を引き起こす悪いくせとしては、まず口呼吸が挙げられます。普段は気がつかなくとも肥満傾向の方は、口呼吸で寝ていることが珍しくありません。口呼吸を 習慣にしてしまうと、口周辺の筋肉のバランスが崩れてしまい、歯並びを悪くさせます。また、頬杖も問題です。これをくせにしていると、頬骨が曲がってしまい、 顎関節や咀嚼にも悪影響を与えます。